疫学研究部
研究活動
疫学は、特定の人間集団を対象として疾病の頻度や分布を調査し、その決定因子を明らかにする学問です。当部では、がんの予防法開発のために、がんのリスク因子・予防因子を明らかにするための研究を行っています。
具体的には、多目的コホート研究(NCC管轄の外部サイトにリンクします)、次世代多目的コホート研究(NCC管轄の外部サイトにリンクします)、がん検診受診者を対象とした研究(NCC管轄の外部サイトにリンクします)などの疫学研究において収集した生体試料を利活用するための基盤を構築し(詳細はこちら)、日々の生活環境の中の様々な要因や血液や尿などの生体試料の分析結果を用いて、発がんリスクとの関連を検討しています。
また、単一のコホート研究を活用した研究のみならず、国内の主要な分子疫学研究グループとの共同研究体制を構築し、日本人のがんなどの生活習慣病の原因究明と個別化予防に資する研究も推進しています(詳細はこちら)。他にも、ハワイ州立大学がん研究センターと南カリフォルニア大学による「多民族コホート研究」と国際共同研究を行い、日本と米国に在住する日本人集団を結節点とし、白人、ネイティブ・ハワイアン、アフリカ系アメリカ人、ラテン系アメリカ人の多民族集団を対象とした疫学研究も展開しています(詳細はこちら)。
このような疫学研究基盤や共同研究の機会を活用し、がんの本態解明と予防法開発に資する疫学研究として、我々が特に注力して研究を展開しているのが下図の4つの分野です。詳細はこちらのページを参照ください。
このような疫学研究で明らかになったリスク因子・予防因子については、国民生活に実装できる効果的ながん予防法の開発につなげる必要があります。この予防法の開発は、主に予防研究部が担当しており、密な連携のもと、疫学研究のエビデンスをがんの予防にトランスレーションするよう注力しています。
疫学は、様々なバックグラウンドを持つ研究者の協力が不可欠な学際的な学問です。当部でも、医師、看護師、薬剤師などの医療系専門職のみならず、栄養学、分析科学、分子生物学、情報工学、などの理工農学系の専門家が多く活躍しています。疫学研究に興味のある方は、ぜひ我々と一緒に研究しましょう。
問い合わせ(疫学研究に興味のある方へ)
当部では、一緒に研究してくださる方を求めています。連携大学院生、ポスドク、研修生・外来研究員の応募をご希望の方は、岩崎(moiwasak●ncc.go.jp)にお問い合わせください。また、研究補助員として、疫学情報のデータ管理、データベースやネットワークなどのITインフラ管理、血液・尿などの生体試料の管理などの研究補助業務に関心のある方も歓迎します。